火災保険とは?補償範囲や選び方、値上げについて基礎を学ぼう!
2015年の秋に、火災保険料が一部値上げになる、というニュースがありました。
最近、火災の他に豪雨や竜巻災害の増加で、火災保険が注目されつつあります。
では、火災保険って一体どんな保険なんでしょうか?火災保険の補償内容はどうなっているのでしょうか?
今回は、火災保険の基礎について書いていきたいと思います。
1.火災保険の基礎。火災保険って何?
火災保険とは、損害保険の1つで、一戸建てやマンション、ビルなどの「建物」と、建物の中にある「家財」が、火災や風水害、雪災、落雷、などによって損害を被った際に補償する保険のことです。
これらの補償の対象となる「建物」や「家財」などを、火災保険では「保険の対象」と呼んでいます。
火災保険は住居用と店舗用と分類され、「保険の対象」の所在地や建物の用途・面積・構造などを基にして算出されます。また、持ち家なのか賃貸なのか、分譲マンションなのか、保険商品などによって保険料が異なります。
住居用の場合、建物と家財の両方、あるいはいずれかが保険の対象となります。
この場合、建物だけに保険をかけただけでは、火災で建物と家財が焼失した場合、家財の部分は補償されません。
貸家の場合、貸借人は家財、大家さんは建物に保険をかけることになっています。
店舗用の場合は、建物と什器、備品、商品なども対象にすることが出来ます。
では、分譲マンションはどうなんでしょうか?
分譲マンションの場合、自分が居住している「専有部分」と、所有者全員が共有する「共有部分」があります。専用部分は自分たちで火災保険を契約、共有部分については、マンションの管理組合が火災保険を契約するケースが一般的だとされています。
2.火災保険はどんなことを補償してくれるの?
前述のとおり、火災保険は「住宅用」と「店舗用」と分類されており、これによって火災保険の内容も変わってきます。
・住居用→住宅火災保険、住宅総合保険、特約火災保険、団地保険
・店舗用→普通火災保険、店舗総合保険
住居目的のみに使用される物件は「住居用」の火災保険で契約されますが、全部ないし一部が店舗・事務所等に使用される物件(例えば、店舗兼住居など)は「店舗用」の火災保険で契約することになります。
【住居用火災保険】
■住宅火災保険
火災による損害のほか、落雷・破裂・爆発・風・雹・雪災による損害を補償
■住宅総合保険
上記の住宅火災保険の補償内容にプラスして、外来物の落下・衝突・水漏れ・騒じょう・労働争議・盗難・水害によって生じた損害を補償
■特約火災保険
住宅金融支援機構などの機関から融資を受けて、住宅を建築・購入・リフォームを行ったら、原則として、融資元を質権者とする、特約火災保険に加入することが条件となっています。
補償は上記の住宅総合保険とほぼ同じですが、特約火災保険の対象は建物のみなので、家財については別途、一般の火災保険に加入する必要があります。
【店舗用火災保険】
店舗用の火災保険の補償対象は、「建物(事務所建物、工場、貨物倉庫など)」「什器・備品・機械・設備」「商品・製品・原材料」「家財」などを選ぶことが出来ます。
しかし、住居用の火災保険と同じく「建物」のみの契約だと、什器や商品、家財などの補償は受けることが出来ないので注意が必要です。
■普通火災保険
火災による損害のほか、落雷・破裂・爆発・風・雹・雪災による損害を補償
■店舗総合火災保険
火災・落雷・爆発・風雪災・雹・水害などの自然災害から、盗難・水漏れ・外部的な事故などの人為的な損害まで補償を受けることが出来ます。
また、賃貸店舗の場合、建物の火災保険は大家さんが加入するので、貸借人である経営者さんのほうで什器や商品、家財にのみ火災保険をかける、ことになります。
しかし、賃貸店舗に損害を受けてしまった場合は、貸借人には「原状回復義務」が課せられるので、賃貸住宅同様「借家人賠償責任補償」に加入する必要があります。
3.火災保険は地震保険とセットで入ろう!
以前、地震保険の記事でも書いたのですが、
地震保険とは?保険料や割引・金額、家財・建物の補償について学ぼう | 保険見直し入門
火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・ 拡大した損害は補償されません。
また、地震保険は単独で契約することは出来ません。火災保険に付帯する方式での契約となるので、火災保険への加入が前提となります。地震保険は火災保険とセットで契約しましょう。
一般的な地震保険は「家計用地震保険」というもので、住居用の物件が対象になります。住宅以外の事務所・店舗・工場などには家計用地震保険での契約が出来ないので、「地震拡張担保特約」で別途カバーすることが出来ます。
「地震拡張担保特約」については、後日詳しく書くことにします。
いかがでしたか?
火災保険は火災だけではなく、自然災害や盗難なども補償されるのですね。
今回、火災保険の基礎を書いたのですが、火災保険にもいろんな種類や補償対象もいろいろあって勉強になりました。
補償内容によっては保険料に差が出てしまいますので、住んでいる場所の環境やリスクを考慮して、火災保険に契約することをオススメします。
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