不妊治療の保険を2016年春にも解禁へ!(追記しました!)
先日、金融庁が高額な不妊治療の費用をカバーする保険を、今春にも解禁する方針を固めた、とニュースになりました。
今まで不妊治療の保険商品は無かったのです。
今回はこのニュースについてと、不妊治療はどのくらいの費用かかかるかなどを書いていこうと思います。
1.不妊治療の保険商品がついに解禁へ!
金融庁が、高額な不妊治療の費用をカバーする保険を、2016年春にも解禁する方針を固めたそうです。
出生率を高める対策として、不妊治療の支援が重要な課題となっているため、販売を認める必要があると判断したそうです。
不妊治療保険、今春解禁=高額費用を補完―金融庁 (時事通信) – Yahoo!ニュース
実は、今まで、不妊治療の費用を補償する保険商品はありませんでした。
ケガや病気などでの入院や治療は保障されますが、不妊治療の費用は保障されません。
何故かというと、今までは保険業法において「保険会社が保障することができる病気」と認定されていなかったからです。
そのため、保険会社が不妊治療に関する保険商品を出すことが出来なかったのです。
2013年に、金融庁の金融審議会は、不妊治療のための保険商品を解禁する方針を示す方針を示す報告書をまとめましたが、制度整備が進んでいませんでした。
2014年にも、保険業法を改正して不妊治療のための保険商品を解禁しようとしていましたが、結果見送りになってしまいました。
そして2016年春に、やっと解禁することになったのです。
次の項目で触れますが、不妊治療は高額な費用が必要なのです。
2.不妊治療は高額な費用がかかる・・・
不妊治療は、タイミング療法や排卵誘発剤の投与については、公的医療保険の3割負担の診療なのですが、人工授精、体外受精・顕微授精については全額自己負担でした。ただし、体外受精と顕微授精は助成金が出ることもありますが、助成金ももらうのにも制限があります。
不妊治療は一体どのくらい費用がかかるのでしょうか?
不妊治療は、主に「タイミング療法」「人工授精」「体外受精」「顕微授精」。そして、排卵誘発剤などの「薬物療法」があります。
不妊症について|ソフィアレディースクリニック水道町
しかし、タイミング療法と薬物療法に入る前に、基礎体温や超音波検査、ホルモン測定などで排卵障害が無いかなどを検査したり、子宮卵管造影検査などで卵管に異常が無いか、頸官粘液の検査や精液に異常が無いか・・・など、様々な検査をする場合があります。
卵管閉鎖や子宮内癒着などが分かる「子宮卵管造影検査」は1回5,000円~20,000円と、病院によっては保険が適用されますが、費用が異なります。不妊治療にとっては重要な検査ですが、決して費用が安い検査ではありません。
タイミング療法で結果が得られなかった場合は、人工授精や体外受精、顕微授精という方法にステップアップします。
人工授精の費用は自己負担で、1回あたり1~3万円かかるといわれています。しかし、人工授精は成功するまでに何度もしなければならないこともあるので、妊娠出来るまでに10万円20万円かかる場合もあるそうです。
体外受精の場合も保険が適用されませんので、費用は自己負担になります。病院や採卵数、体外受精の方法で費用が変わりますが、約10万~100万円の費用がかかるといわれています。1度で成功するとは限りませんので、何度も体外受精を行った場合「家1戸建てられる金額」にまでなる場合もあるそうです。
また、顕微授精の場合も保険が適用されず、また卵子に精子を注入する「顕微授精」の工程に費用が高くかかるそうです。病院や処置内容によって費用が違ってきますが、1回あたり約30万~50万円かかるそうです。
体外受精や顕微授精の場合は、国や自治体から助成金が出る場合があります。詳しくは次の項目で詳しく説明します。
3.体外受精や顕微授精の場合は、助成金が出る場合も
体外受精や顕微授精の「特定不妊治療」の場合は、経済的負担の軽減を図るため、助成金が出る場合があります。
不妊に悩む夫婦への支援について|厚生労働省
助成の対象者・・・特定不妊治療以外の治療法によっては、妊娠の見込みがないか又は極めて少ないと医師に診断された、法律上の婚姻をしている夫婦
給付の内容・・・1年度あたり1回15万円、2回までとし、通算5年支給
所得制限額・・・730万円(夫婦合算の所得ベース)
上記は現在ある助成金の情報なのですが、今後はこの助成金を2015年度内に拡充させるそうです。
初回の上限額を15万円から30万円に倍増し、さらに、男性に不妊の要因がある場合、夫から精子を採取する手術にも新たに15万円を上限に助成させる予定なのだそうです。
不妊治療助成:初回30万円 男性手術には15万円 – 毎日新聞
鳥取県では、2016年4月から、これまで通算5年までとしていた年度制限を撤廃し、回数制限を導入するとのことです。
国の助成回数制限を超えた人には、年齢に応じて通算3~6回(1回につき7万8,000円)を支援し、国の制限で対象外となる43歳以上の女性にも、通算3回までは助成金を出すそうです。これは鳥取県単独で実施されるそうです。
不妊治療費助成を拡充 鳥取県、4月から | 日本海新聞 Net Nihonkai
保険が適用されるタイミング法や不妊症に関する手術などの「一般不妊治療」でも、助成金を出す自治体もあるそうです。
山口県の宇部市では、1年度あたり最大3万円(市と県が折半負担)を通算5年間利用できる医療費助成制度があります。この助成制度を利用する人は増加傾向にあるそうです。
不妊治療費助成の利用者増 | 宇部日報社 このまちメディアWeb
最近では、和歌山県が少子化対策として、体外受精や顕微授精をする高額な「特定不妊治療」について、自己負担額をこれまでの7割程度~3割程度まで大幅に減らすため、新年度予算案に助成費用を盛り込むことを決定したとニュースになりました。
これは全国的にも珍しい取り組みなのだそうです。
不妊治療に7割助成案 和歌山県、少子化対策で手厚く:朝日新聞デジタル
晩婚化、不妊治療を受ける夫婦の増加、さらに少子化対策のために、行政からの不妊治療の費用助成制度は拡充しています。
その上、不妊治療の医療保険の解禁となると、不妊治療を受けている方にとっては医療費の負担が軽減されて、安心かとは思いますが・・・
しかし、不妊に悩んでいる方、不妊治療をしている方は決して少なくありません。
不妊治療は心身ともにストレスを受けてしまいます。
妊娠出来ない不安や、周囲からのプレッシャー、高額な治療費・・・その他様々な要因で心身ともに苦しめられます。
しかも、妊娠できるまでに数年数ヶ月不妊治療にチャレンジしても、なかなか妊娠できくて涙を流す女性も少なくありません。
毎朝計る基礎体温や、度重なる通院と検査などでストレスを感じ、不妊治療を中断した女性も私の身近にいます。
赤ちゃんが欲しくてもなかなか妊娠できない方、不妊治療をしている方が安心できるような、そんな保険商品であってほしいなと心から願っています。
そして、不妊に悩んでいる方の「赤ちゃんが欲しい」という願いが叶いますように・・・
追記.2016年4月1日に、不妊治療保険を解禁!
先日、不妊治療保険を4月1日に解禁すると、金融庁から正式な発表がありました!
不妊治療保険、4月解禁=金融庁発表:時事ドットコム
保険会社各社から、不妊治療の保険の商品がこれから出てくると思いますので、今後どうなっていくか見守っていきたいと思います!
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